2011年08月08日

目への光の熱エネルギー負荷

目の安全性という点ではまず光の持つ熱エネルギーによる損傷があり、太陽光やレーザーを直接見ることによる網膜の損傷は一般的に考えられる。

特に光の波長が同じで山と谷が揃っているいわゆるコヒーレントなレーザー光の場合は光学的な焦点部では強いエネルギーピークが生じ損傷が生じやすいため、視認により容易に目の網膜に熱損傷を受けるため、レーザー製品の安全基準(JISC 6802)が作られている。LED自身はコヒーレントな光を発する訳ではないが、2001年にIEC60825-12のレーザーの安全基準に含まれることになった。LEDがレーザー安全規格の対象になった経緯としては、 光ファイバー通信ではレーザーだけでなくLEDも光源として使われているが、LED光源は光ファイバーの中を通ることでコヒーレンス性が出てくることから、IEC 60825-2(光ファイバー通信のレーザ安全規格)の中でLEDも適用対象に組み込まれたことに始まった。このときIEC 60825-1の適用範囲にLEDが適用対象として規定されることになった。このことで光ファイバー用途以外のLED製品に対しても、あたかもレーザー製品の一部かのように扱う印象を与える可能性があることで、一般のLED照明であっても、一般の人には使用の際に安全性の観点から少し引っ掛かっていた可能性がある。

H18年7月CIE(国際照明委員会)の国際規格「CIE S 009;光源及び照明機器の光生物学的安全性」がIEC62471としてIEC規格化されることで、光ファイバー用途以外の一般のLEDはレーザー安全規格から分離され一般の光源と同等の扱いを受けることになり安全基準が変更された。(LEDをIEC60825-1から適用除外することが決定された) なおこの修正はJISC6802(2005)にはまだ反映されていない。

LED照明商品は一般にはJISC 6802(2005)のクラス1に相当するといえる。ただし今後のLEDの高出力化、高効率化に伴い点光源からの強い光エネルギーはますます高くなる傾向が有る。特にフィラメントを光源とする白熱電球に比べて、点光源のLEDは網膜上に結像する際に小面積のため網膜の局部に高い熱エネルギー分布を生じるため、網膜の受ける光エネルギーによる熱負荷はますます増大する傾向が有るといえる。目の網膜への負荷という意味では、今後のLED照明は増大する光エネルギー密度による目の安全性を考慮すると、特に日常の使用に関してはLED光の直接的な使用を避け、間接照明化や分散板や拡散板等により光エネルギーの平準化、ソフト化技術が商品化には必要になってくるものと考えられる。

最近のオスラム社HPのLED商品説明を見ると、「LEDの種類や使用状況等の如何に関わらず、LED光源は直接見るべきではない」との警告が見られるようになったが、LEDの高出力化による目の負担の増大による網膜損傷をメーカとして事前に警告することで、メーカとしてのリスク対応を始めているものといえる。

なお高出力化動向という将来の話ではなくても、現状のLEDに於いて、LEDの出力は駆動電流の増大と共にかなり増大する可能性がある。たとえば一部LEDが故障によりショートすると増大した駆動電流はLED製品寿命、エネルギー効率、光出力増大等に繋がる可能性は否定できないので、このオスラム社の警告はLED照明を使用する側の全てが、心すべき警告といえる。

光による光生物的安全性に関しては、紫外線に起因する生体の障害については以前からも知られており、それを軽減する対応が取られているが、それらを含めて光に起因する人の眼や皮膚に対する傷害は、以下の8種類あるとされる。

・眼及び皮膚に対する紫外線による傷害
・眼に対する近紫外線による傷害
・青色光による網膜傷害
・小型光源の青色光による網膜傷害
・網膜の熱傷害(低可視光;赤外線電球のような可視光より赤外線量の多いもの)
・眼の赤外線による傷害
・皮膚の熱傷害

網膜の細胞は10℃上昇すると致命的な熱傷害を受ける。赤外線やレーザーが眼の損傷に影響が有ることは容易に想像できる。上記の眼の傷害で以外に思われるのが以下に示す青色光による傷害である。

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posted by 環境2009 at 13:10| Comment(0) | TrackBack(0) | LED照明 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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